電気火災は、毎年多くの人的・物的被害をもたらしています。発火源となる電気製品を適切に管理し、火災発生のリスクを減らすことが重要です。 この記事では、電気火災の主な原因と、確実な予防対策についてご紹介します。
電気火災の原因とは?
電気火災は、毎年多くの人的・物的被害を引き起こしています。電気製品や設備の不備、使用者の不注意などが原因となり、一旦発火すると短時間で広がるため、予防対策が極めて重要です。
電気火災の主な原因は以下の3つに大別できます。
電気火災の主な原因
電気製品の発火
電気製品の発火は、電気火災の最も一般的な原因です。特に古い製品は部品の劣化が進み、発火リスクが高くなります。また、コンセントに多数の製品を接続し過熱状態にすると出火するおそれがあります。
電気設備の不備
家屋や建物の電気設備に不備があると、火災の危険性が高くなります。老朽化した配線は被覆が剥がれ、過熱や放電を引き起こしかねません。ブレーカーやヒューズの不具合も重大な問題です。漏電遮断器が設置されていないと感電や出火の恐れもあります。
使用者の不備
電気製品や設備を不注意に扱うと火災に直結します。コンセントに異物を差し込んだり、タコ足配線をするなどの危険行為は控えるべきです。加熱機器の周りに可燃物を置いたままにするのも大きなリスクです。喫煙時の不始末な行為も要注意です。
電気火災のリスクが高い場所
電気火災のリスクが特に高いのは以下の3つの場所です。
住宅
住宅では電化製品の普及に伴い、電気使用量が年々増加しています。しかし、電気設備の老朽化や配線の過熱など、火災のリスクも高まっています。高齢者世帯では注意力が散漫になりがちなため、さらに警戒が必要です。
オフィスビル
オフィス街では、パソコンや複合機、照明器具など多数の電気製品が稼働しています。長時間使用による過熱や、プラグの抜き差しの繰り返しで火災が発生しやすくなります。夜間は無人になるため、初期消火や避難の遅れにもつながります。
工場
工場では大がかりな設備が稼働しているため、ひとたび出火するとその規模が大きくなりがちです。設備の老朽化や、整備不良による過熱火災や漏電火災の危険性も高くなります。可燃物の放置なども重大な問題です。
電気火災を防ぐための対策
電気火災を防ぐためには、発火源となる電気製品や設備を適切に管理するとともに、人的側面での注意喚起や教育も欠かせません。主な対策は以下の通りです。
電気製品の適切な管理
定期的な点検
電気製品を長期間使い続けると、部品の劣化や摩耗が進行します。このため、定期的に専門家による点検を実施し、不具合のある製品は早期に交換する必要があります。特に熱を発する製品は優先的に点検を行いましょう。
正しい使用方法
電気製品の取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を守ることも火災予防に欠かせません。コンセントへの過剰な接続やタコ足配線は避け、加熱機器の周りには燃えやすい物を置かないよう注意しましょう。
古い製品の交換
10年以上前の製品は部品の劣化が進んでいる可能性が高いため、新しい製品への入れ替えを検討する必要があります。経年劣化が進めば、いつ発火するかわかりません。ランニングコストを考えても、計画的な製品交換が賢明です。
電気設備の点検・補修
配線
建物の電気配線は、長年の使用で被覆が傷んだり、過熱して出火するリスクが高くなります。定期的な専門家による点検で、危険個所を特定し補修する必要があります。
ブレーカーの確認
ブレーカーは過電流から電気製品を守る重要な役割を担っています。ブレーカーが正常に働かない場合は、ショートや過熱が生じ、火災に至るおそれがあります。定期的な確認と不具合があれば早急に交換しましょう。
漏電遮断機の設
漏電遮断機(ELB)を設置することで、万が一の漏電時に電路を遮蔽
従業員・家族への教育
火災予防の啓発
電気火災の危険性や具体的な原因を従業員や家族に周知徹底することが大切です。ポスター
初期消火の指導
火災が発生した際の初期消火方法を従業員や家族に指導しておくことで、被害の拡大を防げる可能性があります。消火器の使い方や、水バケツの設置場所なども確認しておきましょう。
避難経路の確認
もし火災に巻き込まれたら、すみやかに避難することが命に関わります。事前に避難経路や非常口の場所を従業員や家族で確認し、いざという時に落ち着いて行動できるよう準備しておきましょう。
電気火災による被害を最小限に抑えるには、ハード面・ソフト面でしっかりと対策を講じることが不可欠です。一人ひとりが火災予防の重要性を認識し、日頃から意識を持ち続けることが何より大切です。
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